前回はスカ期のプロデューサーについて書きましたが、今回はその後のジャマイカのミュージックビジネスの混乱していく様子を。
スカ期は数人のプロデューサー、特にコクソンやデューク・リードなどアーティストを力で押さえ付けるタイプのプロデューサーが幅をきかせていてアーティスト達は満足の行く収入が得られなかった様です。
まあスカ期はジャマイカのミュージックビジネス自体が始まったばかりで、ジャマイカ独立の盛り上がりもありアーティスト達も音楽ができる事こそが重要だったのだと思いますが。
もともとコクソンとデュ−ク・リードのライバル意識もかなりのもので、ア−ティスト達へも相当の圧力があったようで、当時のア−ティストがレ−ベルの壁を越えてレコ−ディング出来ていたら更に素晴らしい作品が生まれていたと思うと少し残念ですね。
このような問題はジャマイカだけでないのですが、不満が溜まったアーティスト達は次々と独立していくようになります。
アーティストが独立したレーベルの有名なところで
-スカ期-
"Prince Buster" Prince
Buster
"Derrick Morgan" Derrick
Morgan
-ロックステディ期-
"W & C" Delroy
Wilson, Stranger Coll
"Links" Delroy
Wilson, Ken Booth, The Gaylads,
The Melodians
"Supertone" The
Paragons
"Wail'N'Soul'M" The
Wailers, The Soulettes
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W
& C
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Links
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Supertone
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Wel'N'Soul'M
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などがありプリンス・バスタ−以外はすべて短命に終わっている所からも当時独立することの難しさが伝わってきます(さまざまな妨害やイヤガラセがあったようです)。基本的に今でもマイク持ち(シンガーやDJ)がレーベルを立ち上げてもあまり長続きしない所は昔から変わってないんですね。
あと、有名プロデュ−サ−の元で修行して独立した人に
"Upsetter" Lee
Perry(元コクソン)
"Lee's" Bunny
Lee(元デューク・リード)
などがあり、この二人は大成功しています。
現在でもキング・ジャミー(元キング・タビー)、ボビ−・デジタル(元キング・ジャミー)、デイブ・ケリー(元ペントハウス)など有名プロデューサーはほとんど修行経験者です。
もともと大手レコード会社(いわゆるメジャー)が存在せず独立系(インディーズ)レーベルでジャマイカのミュージックビジネスは成り立っているのですが、この時期あたりからレーベルの乱立が始まり、この後収拾がつかないほど渾沌としていきます。
しかし、それもまたレゲエの個性であって、この「解りずらさ」もレゲエ馬鹿にとっては魅力でもあります。(初心者には不評ですが)
PS.....................
上に出てくるレーベル "Links" "Wail'N'Soul'M"
についてココで触れてます。