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vol.37 "Ska Producer"  11/06 '01

 今まで初期のジャマイカの音楽を書いて行く上で Coxsone Dodd(Studio One)と Duke Reid(Trasure Isle)の二人が中心になっていますが、今回はそれ以外のプロデューサー達を簡単に紹介したいと思います。
 

 1. 意外なことに中国人のプロデューサー達の存在が!!

Top Deck
Beverley's
Randy's

 まず、全てのスカファンにとっては特別の存在である"Top Deck"レーベルの Justin Yap & Philip Yap の二人で、この二人は親子または兄弟だった様なのですが、どっちだか確認できてません。
 スカタライツ自身が"Top Deck"でのパフォーマンスがベストだと認めるほどサウンド・クオリティーの高いレーベルで、ギャラもよその倍を払い、食事や大麻など最高のレコーディング環境だったようです。
 シングル盤は、まさにお宝でコレクターの憧れの的です、有名な"Ringo"は、プロデューサーが美空ひばりの「リンゴ追分け」を所有していてスカタライツにカバーさせた、なんて話も聞いた事があります。
 
 二人目はボブ・マーレーを最初にレコーディングした"Beverleys"レーベルの Leslie Kong です。
 14才だったジミー・クリフをスターに育て、ミリー・スモールの"My Boy Lolipop"を大ヒットさせるなど当時の重要なレーベルです。
 60年代後半にもデスモンド・デッカー"Israelites""007"などヒット曲は続き、ついには Reggae の名付け親となったメイタルズ"Do The Reggay"をプロデュースするなどナンバーワンの座を掴みますが、ウェラーズのLPをプロデュースした1971年に心臓発作で他界してしまいます。
 
 そして最後が"Randy's"レーベルの Vincent Chin です。当時人気ナンバーワンだったロード・クリエーターの音源が充実していますしマニア向けの良質なスカもあります、ダウンタウンのパレードに以前はショップもありました。
 ニューヨークの大手ディストリビューションである VP は、このファミリーが(ケンカ別れしたとも)枝別れしたものです。
 
 上の3名はサウンド・システムを所有せずレコードビジネスを行っていたという点でも共通しています。
 
 2. コクソン、デューク意外のサウンド&レーベルオーナー

King Edwers
Prince Buster

 当時コクソンのダウン・ビート、デュークのトロージャンと並ぶビッグ・サウンドだった"The Giants"のオーナー Vincent Edwards の King Edwards レーベルも初期スカの重要なレーベルで、スカタライツのメンバーやババ・ブルックスなどのミュージシャンに、シンガーもロード・タナモ、エリック・モリスなど当時最高のアーティストの音源が残されています。ダンスホールファンにもお馴染みの"Shank I Shek"はこのレーベルがオリジナルです。
 
 そしてジャマイカン・ドリームの象徴である Prince Buster は以前書いたようにボクサーからコクソンのボディガードを経てレコード・デビュー!!
 そして自身のサウンドとレーベル"Voice Of The People"(素晴らしいネーミング!!)を立ち上げゲットーの若者の心をガッチリ掴みます、歌の内容もジャマイカ人として自分の国と音楽にポジティブな物が多く、堂々とコクソンやデュークと渡り合う姿勢は男として尊敬せずにいられません(まさに番長)そしてジャマイカだけでは無くイギリスでも大きな成功を収めると共に、ジャマイカ音楽を世界の舞台に持って行った最大の功労者ではないでしょうか。

 3. その他のプロデューサー

SEP
Up Beat
Kentone

 上で紹介したプロデューサー以外にも当時レコーディングを行っていたプロデューサーは多いのですが、特に重要だと思う所では、
 ジャマイカ初の女性プロデューサーで"SEP, Gay Feet"などのレーベルをもっていた Sonia Pottinger は質の高い作品が多く注目です、彼女はロックステディ期にさら素晴らしい作品を数多くリリースしています。

 "Up Beat"レーベルの Carlos Malcolm はスカ・バンドでは無く、ジャマイカではビッグ・バンドと言われていて、スカタライツなどと並べて語られる事は少ないですがジャマイカを代表する演奏家達によるスカ、ジャズ、メント、など聴き所満載です。

 大手フェデラル・スタジオのオーナー Ken Khouri が持つレーベルの1つ"Kentone""Byron Lee & The Dragonaires"の作品が特によく知られています、ケン・クーリは '50年代中ごろにプロデューサーを始めていて、メントの Count Owen やジャマイカ最高のギタリスト Earnest Ranglin の作品もあったりして奥が深いです、ロックステディ期にも大注目です!!

関連ページ vol.34 Enter the Ska「スカ誕生」


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