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vol.51 ロックステディvol.2
「コクソンとリード」 11/25
'04
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Duke
Reid (Treasure Isle)
:デューク・リード (トレジャーアイル)
トレジャー・アイルがロックステディをリード出来たのはサウンド面ばかりではなく、時代に合った素晴らしいコーラス・グループ(the Techniques, Paragons, Melodians, Alton & the Flamesなど)に恵まれていた事も大きいと思います。 その上、実はパラゴンズ、メロディアンズ、アルトン・エリスはスタジオ・ワンでデビューした後にトレジャー・アイルに移っています。メロディアンズのBrent Doweはインタビューで当時の事を「スタジオ・ワンでは1曲£10で契約させられていたが、トレジャー・アイルの話を聞いて翌週行くと£30も貰えて驚いた」と語っています。 トミー・マクックも「コクソンからの圧力で仕事が出来ない時期があった」と語っているように、強面で悪役の似合うデューク・リードよりも意外とコクソンのほうがアーティストに対する締め付けが厳しかったようです。 トレジャー・アイルはその後もthe Jamaicans, Silvertones, Sensationsなどのコーラス・グループやPhillis Dillon, Joya Landisなどの女性シンガーが大活躍し黄金時代が続きます。 Coxson Dodd (Studio One):コクソン・ドッド (スタジオ・ワン) 一方Coxson DoddのStudio Oneは先ほども書いたようにアーティストの流失に苦しんでいました。コーラス・グループの多くはコクソンの元を離れてしまい、残ったのはthe Gaylads, Ethiopiansなどしかおらず、Delroy Wilson, Ken Booth, Bob Andy(元パラゴンズ)などのスカ時代からのアーティストが中心になっていました。
話がずれますが '60年代中期のスタジオ・ワンのマニアな魅力として「誰がレコーディングに参加してるか」というのがあります。 たとえばケン・ブースのレコードなどには(もちろんクレジットされていませんが)ウェラーズやゲイラッズがコーラスで参加していたりして密かに楽しめます。 サウンド面ではRoland Alphonso率いるSoul BrothersからJackie Mittooをリーダーに置いたSoul Vendorsになり、ジャッキー・ミットゥーの素晴らしい才能の元でスタジオ・ワン産ロックステディを盛り上げていきます。 Soul Vendorsの主なメンバー Jackie Mittoo organ,piano Roland Alphonso tenor sax Johnny Moore trampet Lloyd Brivette bass Hector Williams drums Errol Walters or Earnest Ranglin guitar 1967年にはトレジャー・アイルからアルトン・エリスを再び引き抜き、ケン・ブース、Soul Vendorsとともに初のイギリス・ツアー「Coxson's Rocksteady Revues」に出発、コクソンが激しい追い上げを見せます。 そしてコクソンが一番求めていたコーラス・グループthe Heptonesの登場と、いきなりのヒット曲連発でライバル、デューク・リードを捕らえます。 セッション・バンドも(ジャッキー・ミットゥー中心は変わりませんが)ヘプトーンズのリード・シンガーLeroy Sibblesがベース(実は初心者だった!!)を担当するSound Dimentionsとなり、Carlton & the Shoes, the Cablesなどのコーラス・グループやMarcia Griffiths, John Holt(元パラゴンズ), Slim Smith(元テクニークス)などの活躍で再びトップに躍り出ます。 コクソン、デュークのスカ時代からのライバル達Snia Pottinger, Leslie Kong, Prince Busterの動きとロックステディがレゲエに与えた影響なども書きたかったのですが長くなってしまったので次回にかきます。
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