vol.46 Sir.D Forever スタジオ・ワンは永遠に  05/20'04

 今回からこのサイトで「サンダー・キラの今週の1枚」を掲載してもらうことになったセレクターのサンダー・キラ氏(Taxi Hi-Fi所属)から「コクソン・ドッドが亡くなった」と電話をもらったときは、思わず「ホントですか?」と聞き返してしまった。本当に驚いて今でも信じられません。
 何故かと言うと、つい3ヶ月ほど前の2月の終わりに、ジャマイカのスタジオ・ワンで元気な姿を見ていたからです。
Sir.D(コクソンの呼び名)とは、師匠に紹介してもらって以来、Sir.Dがジャマイカに戻っている時(普段はニューヨークで暮らしている)は挨拶に行っていました。以下スーパーBの回想。

 日本への帰国を数日後に控えた2月の終わり、知り合いのレコード屋でスタジオ・ワンのカレンダーを見つけ「もうカレンダーの時期じゃ無いよナ」と思いつつもスタジオ・ワンに寄ってみました。
 ドアを開けると、いきなりSir.D が!!
 
 (Super B) ビックリして「Sir.D まだジャマイカに居たんですか!!ニューヨークに戻ったと思っていたので、また会えてうれしいです!!自分の事覚えてます?デクスター(師匠の名前)と一緒に何度か会ってるんですけど」
 (Sir.D) 「おー、おー、覚えてるよ、それでどうしたんだ?」
 (Super B) 「今、レコード屋でカレンダー見て、これは貰いにいかなきゃ!!と思って来たんですけど、まだあります?去年の暮れに来た時には見なかったんだけど」
 (Sir.D) 「おー、そうか、まだ有るぞ。アメリカで作ってるもんでな」
 (Super B) 「ヤーマン、Sir.D ありがとう!!これ、いいですよ!!ナイス」
 (Sir.D) 「フォッ、フォッ、フォッ、おまえ音楽プレイしてるんだったな?」
 (Super B) 「ヤーマン!!ジャマイカに住んで、ジャマイカでヴィンテージ・ミュージックをプレイしてます!!」
 (Sir.D) 「おー、そうか!!じゃあスタジオ・ワンをプレイするんだ!!」
 (Super B) 「もちろん!!スタジオ・ワンはマイ・フェイバリットです!!特に『オン・ザ・ビーチ』(*1)『プリンス・ファラオ』(*2)『アナザー・モーゼス』(*3)は必ずプレイするし、ジャッキー・オペル、ウェラーズも大好きです!!ジャマイカの人達は”日本人が何でこんな曲を知ってるんだ!!”と言って盛り上がるんですよ!!Mi Love Jamaican Music Bad Baaad!!」
 (Sir.D) とても嬉しそうに「ハッ、ハッ、ハッ、それはいい!!」スタジオ・ワンのスタッフに「おい、聞いたか?こいつの言った事?」
 その後、自分が「ジャマイカでこんな事してます」等の話が続きますが省略
 (Super B) 「ヤーマン、Sir.D 今日は有り難うございました!!また来ます!!」
 (Sir.D) 「ヤーマン、グッド、グッド」

 簡単に書くとこんな感じの「ありふれた」会話だったのですが、仕事中にも関わらず、とても明るく楽しく気さくにSir.D が話しをしてくれて嬉しかった事が昨日の様に感じています。
 少しでも自分のレゲエ馬鹿をSir.D に伝えられてよかったと思い、その気持ちをこれからのプレイに生かしていきたいとおもいます。「Sir.D あなたの音楽は永遠です、御冥福をお祈り致します。」

 *1『オン・ザ・ビーチ』*2『プリンス・ファラオ』*3『アナザー・モーゼス』については My Favorites「サー・コクソン特集」で解説しています。

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