8/6はジャマイカ独立記念日です。
ジャマイカは1962年にイギリスから独立したのですが、ジャマイカの歴史はコロンブスの西インド諸島発見という歴史的な出来事によって大きく歴史を変えられてしまうのです。
コロンブスによって発見された事になっているジャマイカですが、当時すでに原住民であるアラワクインディアンが居ました。この民族は非常に友好的な民族だったらしく、コロンブスを代表としたスペインからの侵略者を大切なお客さんとしてとても歓迎したそうです。しかし、スペインからの侵略者はそんな友好的な民族を支配し、非常に過酷な労働力として酷使し、労働力が原住民だけでは足りなくなると、アフリカ人を奴隷貿易によってまるで物のように連れてきます。そして、その時に持ち込まれた疫病により原住民アラワクインディアンは絶滅させられてしまうのです。
新たな労働力としてスペイン人に支配、監視されるアフリカンジャマイカ人の長い奴隷生活が始まります。その後、スペインが衰弱するとイギリスが新たに統治、支配しますがアフリカンジャマイカ人の生活は奴隷のまま抑圧された生活をしいられ続けます。
奴隷解放までは長く、ここで書ききる事は出来ませんが、何か機会があったらその間のジャマイカについても書きたいと思っています。重要な人物(達)として、奴隷生活に立ち向かい山奥のコミューンで生活したマルーン族の存在(ジャマイカ$500に描かれています)、ジャマイカの奴隷解放指導者のサミュエル・シャープ(50$札)、奴隷解放後では黒人の地位向上と農地改革を訴えたポール・ボーグル(10セント
コイン)、ポール・ボーグルと共に有名なモラントベイの反乱の指導者ジョージ・ゴードン($10コイン)、最初に黒人のアフリカ回帰(ラスタファリ運動に発展)を訴えたマーカス・ガーベイ($20&25セント
コイン)などは興味を持って欲しい所です。
サミュエル・シャープ、ポール・ボーグル、ジョージ・ゴードン、マーカス・ガーベイの四人は1962年の独立記念式典で正式に国民的英雄として認められています。
話が少しそれますがが、奴隷解放後のジャマイカで、それまでアフリカンジャマイカ人に頼っていた農園主によって、インド人が次ぎに変わる労働力として連れてこられるのですが、この時にインド人によってジャマイカにガンジャが持ち込まれたのは有名な話です。
この様な悲惨な過去をのりこえ1962年ジャマイカが独立を果たすのです。スカという音楽には、この独立に向かってのジャマイカ自体の盛り上がりが反映されていると言われていますが、自分もそう思います。スカにはその当時のお祭り騒ぎが感じられますが、それも長く続かずロックステディには祭りが終わり冷静に戻ったジャマイカを感じます。
独立と言うだけでは何も変わらず逆にイギリスの後ろ楯を失い、独立以前より貧しくなってしまったジャマイカを、その後のルーツレゲエから感じる事もできると思います。(今でもジャマイカは独立しない方が良かったと話す人もいます)
ジャマイカ人が本当に暮らしやすい国になればいいのですが、政治が安定して無いので時間はかかりそうです。
本当は独立当時のアーティストの事なんかも書こうと思っていたんですが、長くなったのでまた今度にします。