ジャマイカには「Music like a food 」という愛すべき言葉があるのですが、この言葉こそ(ジャマイカ音楽全体の意味で)Reggaeとはどのような音楽なのかを表していると思います。
自分がこのサイトで伝えたいのは「過去と現在のレゲエ、ジャマイカをひっくるめたジャマイカ独特の空気感」みたいな物なのですが、日々の生活や日常の会話からも「レゲエはジャマイカのこの空気の中だからこそ生まれた音楽だな」と感じる事ばかりです。
自分の文章力を棚にあげて何ですが、テレビで匂いを伝えられないのと同じで、このなんとも言えないジャマイカの空気をどうやって伝えるかが最大のテーマです。
「Music like a food 」では無いのですが、それに関係する話をちょっと書きます。
ジャマイカで生活しながらレコードを集めていると「Music or food 」の選択を迫られる時は多々あります。(正確にいうと「Record
or Food」)
コレクターなら誰でも経験あると思いますが、欲しいレコードを目の前にするとつい買い過ぎて、飯代までつぎこんでしまって後でひもじい思いをする事になるのですが、それを繰り返してしまうんですね、レコードの魔力にハマってしまうとなかなか抜けだせません。
逆に「Music like a food 」とはいかない現実もあります。
先日コレクターが訪ねて来て「レコードを売りたい」といってきたので「なんで?自分で持っていた方が良いんじゃないの?」とかえすと「Music
can't make belly full.」との返事。
自分も、どうにもならなくて泣く泣くレコードを売った事は何度もあるので「これもまた現実だな」と納得しました。
そして「あーだ、こーだ」話しているとコレクターが「おまえも音楽好きだよなー」というので「ヤーマン、俺はレコードのために3日飯を抜いた事あるぜ!!順位をつけるなら1.音楽、2.音楽、3が飯、タバコ、○○、4番目が酒、女だな」と意味不明の自慢で笑っていましたが、実際ジャマイカは物価も高く、犯罪も多い非常に住みずらい国で、ある程度の生活をするのも結構大変です。
南国のフレンドリーでのんびりしたイメージと、犯罪の多さや物価の高さは矛盾してるように思いますが、この極端な矛盾こそがジャマイカです。ジャマイカで生活するには表と裏を上手く見極めるセンスが必要で、そこに(全てとは言いませんが)日本の常識を持ち込むべきでは無いと思っています。多くのジャマイカ人は自分達が思っている以上にしたたかだと思った方が間違いありません。
まあ、ちょっと大袈裟ではありますがジャマイカは手強いですよ!!ということで今年もよろしくお願いします。